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アルファロメオTEZZO4Cの車高調の方向性

2016.10.06

先日、袖ヶ浦フォレストレースウェイにてアルファロメオTEZZO4Cに車高調の試作を装着、テストしたことで、さらにセッティングの方向性を詰めることができました。

TEZZOが考えているアルファロメオ4C車高調の方向性は以下です。

 

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1,純正の弱点と車高調の必要性

TEZZOでは当初、アルファロメオ4C用車高調の開発・製品化の必要性について考えていなかった。しかし実際に乗ってみると、まず乗り心地に関して決して固すぎるわけではないのだが、ゴムの弾性のように車体が撥ねる傾向がある。サーキットを走ったときも同様で、車体の収まりがあまり良くなかった。さらに操縦性に関してはオーバーステアが強く、限界走行ではアクセルを踏むとテールが巻き込むようにスライドしていく(レーシングモード・横滑り防止OFF状態)。ギリギリのアクセル開度でコーナリングしていても、ターボの過給圧が上がって急にリアがブレイクしてしまう。このトリッキーとも言える挙動を修正するには、車高、バネレート、減衰力を自由に変更できる車高調が必要であり、開発を進めることにした。

2,方向性

ストリートでしっとりと乗り心地良く、サーキットで穏やかな挙動となるようにして、アクセルを気持ちよく踏んで、それでいてタイムアップを果たす。

3,試作品完成~新たなスタート

アルファロメオ4Cの足回りは特殊な形状をしていることもあり、時間がかかったが、試作品はできあがった。しかしそれで終わりではない。TEZZOにとってはここからが本当のスタートなのである。他のメーカーであると、適合を図って装着して実走して不具合がなければその時点で販売に踏み切るケースが多い。後の煮詰めはユーザーに任せるというスタンスであり、そういう意味では完成品ではない。TEZZOのスタンスは、セッティングを重ねて、あとはユーザーが煮詰めなくても装着するだけでデモカーと同じ挙動を手に入れられるという所をゴールとしている。つまりセッティングが命なのである。TEZZOにとって車高調の試作ができあがった所からが本当のスタート!なのだ。

4,課題と理想形

乗り心地に関しては試作品ですでに、ダンパーの精度を高めたため、純正の弾性ゴム的なぼこぼこ跳ねることは解消され、荷重が掛かると掛かっただけ沈む、しっとりした感触を得ることができた。次の課題はサーキット走行においてベストのセッティングを探すこと。この道は通常は容易ではないが、TEZZOにはデモカーがあり、熟練した経験値の高い開発ドライバーとエンジニアがいるので、サーキットテストランの予定が入っているので、すぐにベストな着地点を見つけることだろう。具体的には、安心してアクセルを踏み込めて、プロドライバーでなくても好タイムが叩き出せる足。それでいてストリートでも乗り心地が良い。そんな着地点を狙っている。

5,開発途中段階

これからの当面の目標はオーバーステア挙動の改善だ。純正のバネレートを参考にして試作品のレートを決めたところ、やはりオーバーステアが強かった。これは予想通り。今後、ターンインではどうか、出口でアクセルを踏むときはどうか、という様々な基準点でセッティングを煮詰め、仕様を変更して完成度を高めていく。それはプロチームが行うレーシングカーのセッティングと同様の行為なのである。走りやすいセッティング、それでいてタイムアップする。期待して欲しい。

 

今後も、TEZZO製品ページの中で、随時、開発ストーリーを展開していく予定です。

アルファロメオ4C車高調 製品ページ>>>こちら


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