injured ZERO プロジェクト 参戦レポート
2018.04.07
インターン生の松本です。
先日、TEZZO関連グループ(株)で開催しています、injured ZEROプロジェクト Tetsuya OTA ENJOY&SAFETY DRIVING LESSONに、受講者として参加してきました。
以前、フォルクスワーゲンオーナー限定で開催した際には、運営スタッフとして参加させて頂きましたが、TEZZOでのインターンが始まる前だった為に右も左も分からず、あまり役に立てませんでした。受講者目線からイベントを知ることで、より受講者目線に立った応対が出来るのでは?という考えと、「自分も走りたい!」と強く思った事からワガママを聞いて頂き、受講者として参加させて頂きました。
私の参加車両は、スバルレガシィ アウトバックです。これしか使える車が無かったという事でのチョイスですが、朝会場に着くと周りはロータス、アルファロメオ、フェラーリなど、如何にも速そうな車ばかりで内心怖気づきました。
最低地上高200㎜のSUV志向のフルノーマル車両、タイヤはコンフォートタイヤで有名なブリヂストンのREGNO、明らかにサーキットを走る仕様ではありません。場違い感が漂う光景、マーシャルカーか何かにしか見えません…。
これまで一般車でのサーキット走行経験は無く、楽しみと不安が入り混じっていました。
いざ走り出してみると全体的にグニャグニャ、ブルブルする印象で、サスペンションがストロークしてボディーが大きくロールしてグラグラしたり、足回りのゴムブッシュがたわんでブルブルしたり、不本意なタイミングで姿勢制御装置が介入してきたりと、一般車独特の挙動に戸惑いました。ATのキックダウンによるレスポンスの悪さにも手を焼きました。
また、車とタイヤのせいなのか、周りの車が何事もなく通過していく速度でもとても滑ります。静粛性が売りのREGNOが、誰よりも遅い速度でスキール音を轟かせます。
走り終えると、街乗り仕様のキャンバー角で元々足りない上に、ロールによるポジティブキャンバーが過ぎたのか、サイドウォールにあるスリップサインの位置を示す△のマークが削れて消えました…。
一般道でこれらの挙動を体験するには殆どの場合交通法を破る違法行為になりますし、何より事故を起こす可能性が高い訳ですが、袖ヶ浦は非常にコースが広いので十分な安全マージンを取ってこれらの挙動を体感することができました。
車の限界やその領域に踏み込む前の動きを知って、自分にはどこまでコントロール出来るのか知ることは安全運転にはとても大切で、貴重な体験になりました。
さて、私はスパタイオプションで参加した為、最後に1周のタイムアタックがありました。スパタイGPはこの一周のみという点が非常にミソで、己の実力を発揮しきれる精神力が求められます。己の実力以上の運転をしようとすればミスをしてタイムは出ませんし安全性も損なわれる訳で、上手くなってタイムを出す事が求められる、injured ZEROプロジェクトの目的を凝縮したような競技です。私は最後まで車の姿勢制御装置と上手く付き合っていく事が出来ず、それらを介入させない範囲で走る作戦を採りました。急な操作や速い挙動変化を起こすと確実に介入してきて、一度介入すると「安全に止まるまで面倒見ます!」と言わんばかりにいつまでもアクセル操作を受け付けてくれずにタイムロスするので、ブレーキはそ~っと踏み、そ~っとリリース、左右の荷重も徐々にかけて、「何でもないよ、何でもないからね~」と車をダマすように走らせました。出たタイムは速いのか遅いのか良く分かりませんでしたが、それなりに上手く誤魔化せたような気はします。(姿勢制御装置の有無に関わらず、速く走るためには丁寧な運転は大原則ですが。)
後ほど太田校長から聞いた話だと、ABSを早期に解除する裏ワザなどもっと深い世界があるようでしたが、初めてのサーキットデビューにしては上出来だったのではないかと思います。スバルCUPの景品も頂く事ができました。
サーキット走行は自信が無いという方でも、ベーシックレッスンプランでは広場を使ってのABS作動やスラローム走行で車の限界時の挙動を安全に体験する事ができます。自分の車が、いざという時どのような挙動を示すのか、安全に回避するためにはどのように運転すれば良いのか、実際に出来るかどうかは別として、知っているだけで安全運転に対する知見は大きく広がると思います。自分のレベルに合わせて体験できるinjured ZEROプロジェクト、是非一度受講してみてはいかがでしょうか?